年寄り猫が姿を見せなくなってから、うちに来る常連はこの子猫になった。

飼い猫から野良になった親猫(推定)とは違って、生まれついての野良だった彼(特に決まった呼び名はなく、近所ではシロとかチビとかいろいろ呼ばれていた)は、いつでもうちにやって来た。早いときはまだ夜が明ける前から、遅いときは薄暗くなりはじめる頃に。一日に3度来たこともあった。うちにやって来て誰も出て来ない日は、1時間も2時間も玄関前でニャーニャー鳴いていたそうだ。

年寄り猫とは違って、彼は愛想を振り撒くことはなく、食事を与えてもこちらを警戒してか、こちらが家に入るなどして姿を隠すまで食事(猫缶と牛乳)に手をつけることはなかった。後に少し馴れてきた頃に玄関に入って来ても、頻りに入り口を気にしていた。


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